部下を動かすフィードバック術3
前回、フィードバックで、相手の言動(行動の事実)に、OKや大丈夫を伝えること(承認)は、部下の「やる気・自発的行動」を促す効果があるといいました。
世の中ではフィードバックのことを、個人的に呼び出して評価を伝えたり、振り返りをさせたりする面談のこと、と思っている方も多いようです。
ですが、ウイル・コンサルティングでは、フィードバックのスキルは日常に使ってこそ生きると考えています。どんどんフィードバックして相手のやる気・自発的行動をもっともっと促しましょう!
例えば、こんな風に・・・
「さっきの会議でのプレゼン、データも揃えられていて、とても分かりやすかったよ。感心したよ」
一見普通の感想に見えるかもしれません。が、実はこれ立派なフィードバック。
仮に、これはA課長がBさんに発したものだとましょう。Bさんが会議でプレゼンをしました。それにはデータがしっかり揃えられていました(←Bさんの行動の事実)それに対し、A課長は「とても分かりやすかった」との言葉を伝えています(←A課長からの承認)
こんなことが成功体験になるの? 部下のモチベーションが上がるの? と疑う人もいるかもしれません。
ですが、自分がBさんだったらどうでしょう? こんなふうに思わないでしょうか。
「A課長はデータが揃っていて分かりやすかったと言ってくれたな。よし次のプレゼンもデータをしっかり揃よう」
具体的にどんな言動がOKだったのかよく分かれば、それが記憶にインプットされれば、次も同じことをしようと心がけますよね(これが成功体験の再現、繰り返しです)。
地味なことだと思うかもしれません。けれど小さい成功体験も積み重ねれば、揺るぎない自信になります。フィードバックを通して「君のことをいつも見ているよ、信頼しているよ」と伝えることで、部下はモチベーションを上げて、自ら動いてくれるようになるのです。
<まとめ:部下を動かすフィードバック術のツボ>
・部下にとっての成功体験とは、上司の承認
・フィードバックで部下に成功体験を与える、または自覚させることができる
・ほめずおだてず、ただ部下の“行動の事実” を“承認”(OK)する
・“行動の事実”は具体的に伝える
・承認された行動を部下は繰り返すようになる
以上は、あくまでもフィードバック術の基本です。実際のOJTではもっと複雑なことやNGを伝えなくてはならない場面も出てきます(こっちの方が多いよ! という声も聞こえてきそうですね)。ですが、基本をマスターしていないと応用はできません。まずは、今日から小さな成功体験を提供し、信頼関係づくりを始めてみてください。フィードバックがうまくいくことは、管理者のあなた自身の成功体験にもなりますから!
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