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印象より相性

人間関係作りでは、第一印象が全てを決める。第一印象こそ極めて重要だと話す人がいます。確かに人の第一印象は、その後の関係性に影響を与えます。それ故にそうした人たちは、相手に好印象を与える工夫にお金と時間をかけています。(誤解のないように言いますが、そうした投資を否定するつもりは一切ありません)

好印象を与える工夫をしている方と出会うと、さすがに「ファッショナブルでカッコイイな、清潔感があって好印象だな」と感じたりします。私の印象では、いわゆる「仕事のできそうな人」といった第一印象を感じ、安心感さえ感じます。全くの私の主観ですが。

実は、こうした第一印象に関してですが、これまでに何度も違和感を持つことがありました。それは第一印象での「印象評価」を重視、優先する人が多くなっているように感じることです。

もうひとつ気になることは、「仕事のできそうな人」という印象を持った人との会話を通して、「おやっ?、あれっ?」という感想を持つことが多くなったことです。

実は私たちは他人に対して、無意識のうちにこんな基準で相手を評価をしています。ひとつは、「この人は自分の思いや考えをしっかりと伝えることができる人なのか」。 もうひとつは「この人は、こちらの気持ちや考えを理解しながら聞くことができる人なのか」というこの2つの基準で相手を見ています。同時に、自分も相手(周囲)からこの点を見られています。もちろん厳密に評価しているわけではありません。こうした判断も主観なのですが、私はこれを「相性評価」といっています。

実は、初対面の「仕事のできそうな人」とお会いした際に、上の2つの視点で「おやっ?、あれっ?」という、なんとなくの違和感を受けた相手とは、その後どうも関係が長続きしていません。決して自分からバリアを張っているわけではないのですが、関係が続きません。なのできっと相性が悪かったんだなと考えています。

余談ですがこの話を知人に話すと、「それは相手の方が君に対して、その2つの基準で絶対的な物足りなさを感じたんだな。プラス安物のネクタイしてただろ(笑)。だから続かない」と直撃されました。ごもっともな話です。

話を軌道修正します。どうやら、名刺交換の挨拶で受けた最初の印象よりも、その後のやりとりで感じた印象でマイナスのギャップを感じたときは、「では、次回お会いするのを楽しみにしています」が実現できないようです。逆に名刺交換の挨拶で受けた最初の印象よりも、その後のやりとりで感じた印象でプラスのギャップを感じたときは、「では、次回お会いするのを楽しみにしています」が早期に実現され、その後も継続しています。相性が良かったと考えています。

 

そろそろまとめなければなりません。第一印象は確かに大事ですよ。ただし、だからと言って「印象評価」を優先しないでほしいのです。第一印象という主観で他人を簡単に評価できるほど、人は優れた生き物ではありません。

そして、人は見た目の第一印象を見るのではなく、その人との相性がどうかという「相性評価」を大事にしています。ビジネスしかり、友人関係、夫婦関係と良好な関係は相性によってです。

自分の思いや考えをしっかりと伝える工夫と相手の気持ちや考えを理解しながら聞く工夫をしている人は、多くの人と相性評価が良いです。

決して「印象評価」だけに頼ることなく、相手とじっくりと向き合って時間をかけて「相性評価」をしましょう。何事も長続きするというのは良いものです。